【最新更新情報】アデノウイルスのピークグラフ画像追加
子供が熱が出たと保育園から連絡があり迎えに行くと、連絡があった時より高熱があり、一時39.9度まで上がったと聞き、そのまま小児科の病院へ。
熱が出たばかりで何とも言えないし、検査もできないのでとりあえず様子を見るという事で風邪の薬だけいただき帰宅する。
翌日も熱が下がらず一時39.0度。
病院に行って熱を測ると、40.1度。
診察してもらって、検査をすることに。
溶連菌感染症はネガティブ(陰性)。
次に検査をしたのがアデノウィルス。
アデノウイルス感染症の検査結果がポジティブ(陽性)
という事で、アデノウイルス感染症について調べてまとめてみました。
アデノウイルスって何?語源は?
アデノウイルスの語源となっているのは、アデノイドに影響を与えるウイルスであるというところからきています。
アデノイドとは喉にあるリンパ組織の一つで、咽頭扁桃とも言われます。
そして、アデノウィルスは、一般的な風邪の一種でもあります。
風邪の原因となるウイルスは数多くあり、その一つがアデノウィルスなのです。
その中でも、感染力が強く高熱が続くため、アデノウィルスの原因でかかる咽頭結膜熱、いわゆるプール熱は、文部科学省が定めている学校伝染病のインフルエンザと同じ第二種に定められています。
もう一つ、アデノウィルスの原因でかかる流行性角結膜炎、いわゆるはやり目についても、文部科学省が定めている学校伝染病の第三種に定められています。
アデノウイルスの種類はなんと50種類以上
アデノウイルスと一言で言っても実は多くの種類があります。
ちょっと難しいお話になりますが、細胞表面の抗原を基に分類した型である血清型が51種類でした。
2008年以降、52型以降がが全塩基配列の決定による遺伝子型として報告され、現在は67以上の型が報告されています。
それぞれの型によって諸症状が異なり、呼吸器系の疾患から消化器系の疾患、泌尿器系の疾患、肝炎や脳炎まで引き起こすことがあります。
アデノウイルスが流行する時期は夏?冬?
アデノウイルスは夏のインフルエンザとも言われていて、夏に大流行することがあります。
以前は確かに夏に流行するものであったが、2003年以降は冬にも患者数が増える状態になっている。
年度によっては、冬も夏と同数程度の患者数が感染しピークを迎えることもあります。
現在は夏に流行する感染症だという認識は捨てた方が良いようです。
アデノウイルス感染症の症状は熱、喉そして目やにが特徴
アデノウイルス感染症の症状の特徴は大きく3つです。
- 発熱・高熱(39度~40度の高熱が出たり、37度~38度前後の微熱に下がったりを繰り返す)
- 咽頭炎(のどの違和感、のどの腫れ、のどの痛み)
- 結膜炎(目ヤニが多く出る、白目の充血)
型によって症状が異なりますが、多くの場合このような症状が起こす傾向があります。
高熱になることは非常に多く、40度を超えることもあります。
アデノウイルスの熱はいつ下がる?潜伏期間が長い、症状も長い
アデノウイルスの感染してからの時系列はおおよそこんな感じです。
潜伏期間:5日~7日(感染部位によっては2日~14日)
発症期間:3日~5日
回復期:発症後1週間前後
二次感染期間:発症から2週間(長い場合、数ヶ月の及ぶ場合も)
発症するまでにおよそ1週間、発症してから1週間、症状が治まってから1週間、そして感染期間としてはプラス1週間と、感染してからでいうとおよそ3週間、アデノウィルスとお付き合いすることになります。
アデノウィルスは潜伏期間が長いのが一つの特徴です。
インフルエンザで1日~3日なので、アデノウィルスの5日~7日というのは非常に長いというのがわかると思います。
また、アデノウィルスの潜伏期間は感染する部位によっては更に長いこともあり、長くて14日、2週間ほどの潜伏期間を要することもあります。
なので、熱が出ている時期は長くて1週間ほどです。
1週間ほど我慢すれば熱が下がるという事です。
各症状のおよその治療期間はこのような感じです。
発熱・高熱:4日~7日
咽頭炎:3日~7日
結膜炎:7日~10日
目やにや目の充血といった結膜炎については少し回復が遅くなるというのが傾向のようですが、治療期間としては1週間から2週間が目安となります。
アデノウイルスはいつまでうつる?どうやって感染するの?
人へ感染させてしまう、うつしてしまう危険性がある期間は、先ほどの感染してからの時系列で言うと、感染してから、二次感染期間までです。
アデノウィルスは潜伏期間中からうつる可能性があり、最も長いケースでは1か月間も人にうつしてしまう、感染させてしまう危険性があります。
しかしながら、ウイルスの排出量としては、発症初期の数日が最も多く、その後は減少します。
回復してから1週間以上外に出歩かないというのも難しいかと思いますので、医師に相談したり、様々な機関の基準を参考に行動するのがいいかと思います。
感染経路としては、基本的に咳などによる飛沫感染、直接接触、便などから感染します。
また、アデノウィルスが原因の病気の一つに通称プール熱がありますが、これはプールが感染源の一つであったため、この通称となりました。
しかし、塩素消毒などによりアデノウイルスの予防になり、現在の遊泳用プールの衛生基準では、「遊離残留塩素濃度は、〇・四mg/l以上であること。また、一・〇mg/l以下であることが望ましいこと。」となっていて、この基準を守っていれば基本的にプールでの感染は防げるものと考えられています。
出席停止、通学禁止、登園禁止はいつまで?登園許可書は必要?
二次感染期間は発症から2週間ほどですが、実際に学校や幼稚園、保育園などへの通学、登園などはどのようにすればよいのでしょうか?
私も同じですが、保育園に完全に任せるわけではありませんが、ずっと保育園に預けることができないのは辛いというのが現実でしょう。
こちらは厚生労働省が出している、保育所における感染症ガイドラインです。
アデノウィルスで発症する咽頭結膜炎(プール熱)が記載されている内容がこちらです。
感染しやすい時期:発熱、充血などの症状が出現した数日間
登園の目安:主な症状が消え2日経過してから
そして、「医師が記入した意見書が望ましい感染症」「医師が意見書を記入することが考えられる感染症」として位置付けられています。
実際私の子供が通っている保育園でも意見書の提出を求められました。
もう一つアデノウィルスで発症する流行性角結膜炎(はやり目)についても記載されています。
感染しやすい時期:充血や目やに等症状が出現した数日間
登園の目安:感染力が非常に強いため結膜炎の症状が消失してから
そして、こちらも「医師が記入した意見書が望ましい感染症」「医師が意見書を記入することが考えられる感染症」として位置付けられています。
こちらは学校や幼稚園、保育園の場合ですが、会社の場合もインフルエンザなどと同様に出社禁止などにしている会社もあるようです。
気になる方は一度確認してみた方が良いかと思います。
咽頭結膜熱(プール熱)、嘔吐下痢症もその一つ、アデノウイルスの原因により発症する病気
症状からもわかるように、アデノウィルスが原因による病気、病名はいくつかあります。
- 呼吸器感染症
- 咽頭結膜熱(プール熱)
- 流行性角結膜炎(EKC)
- 出血性膀胱炎
- 胃腸炎(嘔吐下痢症)
主なものは以上の5つですが、その他にも上気道炎・気管支炎、肺炎、扁桃腺炎、無菌性髄膜炎などの病気にもなることがあるようです。
咳が主な症状であり、重症化することもある呼吸器感染症
呼吸器感染症は、アデノウィルス3型及び7型に感染した際に起こりうる病気です。
主な症状は、咳、発熱、扁桃痛、咽頭痛です。
7型による呼吸器感染症は重症の肺炎を起こすケースがあります。
特に乳幼児は注意が必要で、髄膜炎や脳炎、心筋炎などを併発するケースもあります。
特徴である咳、発熱などが長引き、呼吸障害などを起こし、重症化し、命にかかわるような状態にあることもあります。
プール熱の通称でよく聞く咽頭結膜熱
咽頭結膜熱(プール熱)は、アデノウィルス3型に感染した際に起こりうる病気です。
症状としては、39度~40度の高熱が出るのが特徴です。
といっても、ずっと高熱が続くこともありますが、37度~38度の微熱に下がったり、また高熱が出たりと、4、5日上下を繰り返し続けることが多くあります。
発熱に伴って、頭痛や食欲不振、全身倦怠感、などの症状を引き起こします。
発熱の間は病名からもわかるように喉が腫れ、咽頭炎によって咽頭痛(のどの痛み)の症状がでます。
もう一つ病名からわかるのが、結膜炎の症状によって、結膜充血や眼痛、強い光を受けた時に不快感や目の痛みが出る羞明、涙が止まらなくなる流涙、そして、いわゆる目やにがひどくなる眼脂の症状が出ます。
目の症状については片方の目から始まって、逆側の目にうつるように症状が出ることが多いようです。
腹痛や下痢の症状が伴うこともあります。
先にも言ったように、咽頭結膜熱は厚生労働省が定める学校保健安全法上の学校感染症第二種に指定されています。
はやり目とも呼ばれている流行性角結膜炎(EKC)
出血性膀胱炎は、主にアデノウィルス8型、19型、37型、そして新型である53型、54型、56型に感染した際に起こりうる病気です。
プール熱とは潜伏期間も若干の違いがあります。
プール熱は5~7日ですが、流行性角結膜炎はもっと長く、8日~14日の潜伏期間があります。
症状については、病名の通り、結膜炎の症状である目の充血や目やにが特徴です。
咽頭結膜熱(プール熱)と異なる点は、高い熱や喉の腫れもひどくないという事です。
新生児や乳幼児においては、炎症が強くなって、瞼(まぶた)の裏側に、炎症によって白い膜ができる偽膜性結膜炎という症状を引き起こすことがあるので、注意が必要です。
ひどい場合にはその白い膜が厚くなり、偽膜を除去する必要が出てきます。
先にも言ったように、咽頭結膜熱は厚生労働省が定める学校保健安全法上の学校感染症第三種に指定されています。
真っ赤な尿が出ることが特徴の出血性膀胱炎
出血性膀胱炎は、主にアデノウィルス11型に感染した際に起こりうる病気です。
症状としては、膀胱炎の症状で、排尿時に痛みがあり、肉眼でわかるような真っ赤な血尿が出ることが特徴です。
症状については2、3日で治まることが多く、肉眼ではわからない尿検査での潜血についても、10日前後で回復することが多い。
高熱はほとんどでない胃腸炎(嘔吐下痢症)
出血性膀胱炎は、主にアデノウィルス31型、40型、41型に感染した際に起こりうる病気です。
胃腸炎については、乳幼児に多く発症し、胃腸炎の一般的な諸症状である腹痛、嘔吐、下痢といった症状が出ます。
しかしながら、発熱は咽頭結膜熱とは違い、高熱が出ないことがほとんどである。
アデノウイルス感染症の検査、そして治療
アデノウイルス感染症は検査を行うことで、アデノウイルス感染症かどうかを確認することができます。
非常に簡単な検査方法で、小さい子供でも問題なく受けることができます。
また、時間も15分ほどで結果がわかる検査方法なので、診察が終わってしばらく待つだけで結果がわかります。
アデノウイルスの検査の流れはこのような感じです。
- 綿棒で喉をなでるようにする
- 喉の液を採取する
- 約15分ほど検査結果を待つ
- 検査結果を確認する
という感じでとても簡単な検査です。
特効薬、特定の治療薬もなく、対処療法のみの治療
アデノウィルス感染症は残念ながら、特効薬やそれを治療するための特定の薬などはありません。
それぞれの症状に対して治療法を検討する対処療法を行うことになります。
ちなみにうちの子に処方された薬は2つです。
- クラシエ麻黄湯エキス細粒
- クラシエ五苓散料エキス細粒
どちらも漢方薬です。
クラシエ麻黄湯エキス細粒は基本的に風邪の諸症状に対する薬で、高熱の風邪に対処する薬です。
もちろん直接アデノウイルスに効く薬ではなく、高熱が出ている症状を体の中から対処しようという事になります。
クラシエ五苓散料エキス細粒は嘔吐に対して処方された薬です。
診察で口の中を見るために、下を抑える棒を口に入れた時に、嘔吐してしまい、病院に行く前にも、嘔吐することがあったのでこの薬が処方されました。
こちらも残念ながらアデノウイルスに直接効くという薬ではありません。
アデノウイルスの予防方法
アデノウイルスの感染は飛沫感染、便からの感染などが多く、それを予防する方法ももちろんあります。
一般的な予防方法は以下の通りです。
- うがい
- 手洗い
- プールの塩素消毒
- 接触感染予防の徹底(タオルや点眼液(目薬)の共有はしない)
うがいや手洗いは風邪の一般的な予防方法ですね。
プールの塩素消毒は、いわゆるプール熱からの予防ですが、遊泳用プールの衛生基準では、「遊離残留塩素濃度は、〇・四mg/l以上であること。また、一・〇mg/l以下であることが望ましいこと。」となっています。
基本的にこの基準を守っていれば予防として効果があります。
よくある保育園での水遊びについては、遊泳用プールで行っているわけではないところが多いと思います。
ですので、塩素消毒などを行っているかどうかは個別に確認が必要かと思います。
最後の接触感染予防の徹底については、アデノウイルスの中でも流行性角結膜炎の予防に効果が大きいです。
タオルや目薬などは個人個人別のものを利用するようにして、共有するのを避けるのが予防になります。
大人でもアデノウイルスに感染する
アデノウイルスは、子供の病気として有名かもしれませんが、大人も感染する病気です。
[st-card id=4241]一般的に大人が感染することが多いウイルスは次の3つが多いとされています。
- ノロウイルス
- ロタウイルス
- アデノウイルス
どれも子供の病気でよく聞くウイルスですが、大人も感染することがあるので注意が必要です。
大人が感染すると、それを子供にうつしてしまう可能性もあるので、合わせて注意が必要ですね。
ちなみに上記の3つ以外に下記の2つにも感染する事もあります。
- サボウイルス
- アストロウイルス