2018年7月に小学一年生の子供が亡くなるという残念な事件のニュースが飛び込んできました。
色々な意見が出たり、原因や対策なども話し合われることもあるでしょう。
まず、僕ができることは熱中症についてよく知ることかなと思い、色々と調べてみたことをここにまとめてみました。
熱中症は恐ろしい。大人も注意が必要。最悪の死亡例は?
熱中症はとても怖い病気です。
最悪の場合は、死に至るケースもあります。
実際に亡くなられた方は、2016年(平成28年)で621人、最も多かったのが2010年(平成22年)の1731人でした。
年齢別では、65歳以上の人が約8割という年がほとんどで、子供の死亡数は大人に比べて多いというわけではありません。
しかしながら、0歳~19歳の子供が熱中症が原因で亡くなっているのは現実ですので、しっかりとしたケアが必要です。
子供が熱中症で亡くなった理由は駐車場や運動会
子供が熱中症で亡くなった理由はいくつかありますが、代表的なものが「車内に置き去り」によるものです。
毎年にように起こっている事故であることは皆さんご存知だと思います。
炎天下の車内はあっという間に高温になります。
なので、少しだけなんてことは考えずにおくことが大切だと思います。
運動会で子供が熱中症で亡くなったというのは、確認できませんでしたが、2011年に22歳で女性の保育士の方が、亡くなったことがあるそうです。
また、2017年5月に、小学校で運動会の練習中に児童20人が熱中症とみられる症状で病院に搬送されたこともあります。
運動会、またその練習の時に熱中症になるケースが多く、注意が必要です。
熱中症のサインは腹痛や吐き気、嘔吐、頭痛など
もし、子供が熱中症になっていたら、どんなサインを出すのでしょうか?
様々なサインがあるかもしれませんが、子供は簡単に口に出して表現することが難しいです。
しっかりと大人たちが子供たちの様子を見てあげることが大切です。
例として以下のようなサインがあります。
- 発熱(体が熱い、寒気がする)
- 嘔吐や吐き気(気分が悪い)
- 頭痛(頭が痛い)
- いつもと様子が違う、元気がない、しんどそうな様子である
- 目が回る、フラフラする
- 体が痛い、手足のしびれ
- 鼻血
重症の場合は、意識を失ったり、けいれんを起こすなど一目でわかる状態の場合もあります。
そのような場合は、救急車を呼ぶなどして早急に病院に連れていく必要があります。
重症の熱中症ではどのようなことが起きるのか?
熱中症は重症度で分類分けがされています。
分類は以下の通りです。
- Ⅰ度(軽度):めまい、立ち眩み、生あくび、大量の発汗、失神、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)、手足のしびれ、意識障害を認めない(意識は正常)
- Ⅱ度(中等度):頭痛、吐き気、嘔吐、下痢、倦怠感、虚脱感、失神、気分の不快、判断力の低下、集中力の低下、軽い意識障害を認めることがある
- Ⅲ度(重度):意識障害、けいれん、手足の運動障害、おかしな言動や行動、過呼吸、ショック状態、高体温、肝機能障害、腎機能障害、血液凝固障害
分類については、臨床症状からの分類は以下のようなものがあります。
- 熱けいれん(Ⅰ度):意識正常、体温正常、皮膚正常、発汗有り
- 熱失神(Ⅰ度):意識消失、体温正常、皮膚正常、発汗有り
- 熱疲労(Ⅱ度):意識正常、体温39度以下、皮膚冷たい、発汗有り
- 熱射病(Ⅲ度):意識障害、体温40度以上、皮膚高温、発汗無し
なぜ熱中症の時に発熱、高熱が出るのか?
熱中症の時に発熱する原因は、汗をかくことにより体温を下げるなどの体温調整機能が失われていることです。
体温調整機能が失われた状態なので、非常に危険です。
人は、暑いときは、汗をかいて体温が上昇するのを防いだり、寒いときには、皮膚の表面の血管を収縮させて熱を外に逃がすのを防いだりします。
このような機能が体温調整機能になります。
熱中症の初期の段階で、発熱することはあまり有りません。
というのも、体温調整機能がまだ正常に働いていて、汗を大量にかいたりします。
汗を大量にかきすぎ、体の中の水分が失われてしまうと汗が出なくなり、体温を下げることができなくなってしまいます。
汗をかくことができず体温を下げることができなくなってしまうと、体温が上昇していきます。
このような原因で熱中症の時に発熱をすることになります。
熱中症での発熱、高熱はいつまで続くのか?どれぐらいで治る?
熱中症で発熱した場合、しっかりとした処置をすれば、長続きすることはありません。
当日中や数時間で治ることがほとんどです。
しかし、発熱が続く場合には熱疲労の状態が続いているので、病院に行く方がいいです。
しっかりと病院で状態を確認してもらい、お医者さんの指示に従えばよいでしょう。
熱中症の症状がいつまで続くのかは、症状などによって個人差がありますが、完全な健康体に戻るには時間がかかることが多いです。
完全な元気な体に戻るのに、2日、3日、1週間程度かかることが多いです。
症状が重くひどい場合には、健康な体に戻るまで1ヶ月以上もかかることもあります。
熱中症になった時の対応、処置はどうすればいいのか?
もし熱中症になってしまったら、ただただ焦っていてはどうにもなりません。
しっかりとした対応、処置をする必要があります。
そして、その対応や処置をどうすればよいのか知っているのと知らないのとでは、その場面に出くわした時の落ち着きが全く違います。
しっかりと対応方法を知っておきましょう。
- Ⅰ度の場合:その場での対応がまだ可能な状態で、日陰でゆっくりと体を休め、水分補給を行い、締め付け感の強い衣服は緩めて、場合によっては衣類を脱がし、楽な状態し、体を冷やすことで、症状が改善していきます。
- Ⅰ度の症状が改善されない場合:すぐに病院などの医療機関に行くことが重要です。
- Ⅱ度の症状が現れた場合:すぐに病院に行くようにしましょう。
- Ⅲ度の場合:救急車を呼び救急搬送するなど、早急に病院に行き対応することが必要です。入院が必要になったり、場合によっては集中治療室での処置が必要になってきます。
重症化すると自分たちでできることは、ただただ病院に早くいくことですが、軽度の場合は、対応をしっかりとしてあげましょう。
体をゆっくりと休めるには、締め付け感の強い服を着ていれば緩めてあげたり、服を脱がせてあげて、楽な状態にして、休ませてあげましょう。
水分補給は、水分の吸収がいいから経口補水液やスポーツドリンクがもちろん有効ですが、子供が嫌がっては元もこうもありません。子供が飲みたいものを飲ませてあげるのがいいでしょう。
体を冷やすのは、炎天下の場合は日陰や室内などの涼しい場所に移動し、水で絞ったタオルなどを脇の下や首元などに当ててあげるといいです。
発熱しているからと言っても解熱剤はNG
熱中症で体が熱くなり、熱が出るケースがあります。
軽度の場合は、熱が出るケースは少ないですが、中等度の場合には熱が出る場合があります。
しかし、熱中症が原因で熱が出ている場合、解熱剤を服用しても効果がありません。
涼しい場所で、体を冷やしてあげながら、ゆっくりと休むことが大切です。
40度を超えるような熱が出ていたりする場合は、すぐに病院に連れていきましょう。
熱中症の処置にアイスが有効?
熱中症になった場合に、アイスクリームを食べるといいというお話があるようです。
お腹の中の熱を取るのに、水などの水分では、喉を過ぎた時には暖かくなってしまっているが、アイスクリームであれば、ある程度塊の状態で胃まで到達するので、お腹の中から体を冷やしてくれるという事です。
確かにその事は一理ありそうですが、実際に重症化している状態でアイスクリームなどを食べるというのは、現実的には難しいのではないかという意見が多いようです。
熱中症になった時の処置や対応ではなく、予防としての効果の方が期待できそうです。
子供が熱中症になりやすい理由
子供は大人より熱中症になりやすいという事実があります。
色々と理由はありますが、以下のことが大きな理由ではないでしょうか。
- 遊ぶことに集中しすぎて、暑いという事に気づかない
- 体温調整機能が未発達
- 地面からの距離が近いため、照り返しの熱を受けやすい
子供の熱中症が重症化することが少ない理由
先にも言ったように熱中症で子供が死亡するケースはもちろんありますが、全体の数からいうと少ないというのが実際のところです。
体温調節機能などがまだ未発達のはずの子供がどうして重症化することが少ないのか?
それは、しっかりと大人たちに見守られているからです。
子供は一人でいることは少なく大人がしっかりと見守っています。
見守られている子供がもし熱中症になった場合でも、初期の段階で大人が気付き対処をしてあげられます。
なので、重症化することが少ないと言えます。
熱中症から子供を守るための対策
子供たちは熱中症で重症化しないのは、大人たちがしっかりと見守っているからというのがありました。
そのように重症化しないために、大人たちが対策をよく知って、見守ってあげましょう。
対策はたくさんありますが、代表的なものをあげたいと思います。
- 直射日光を避ける:直射日光が子供にあたらないように、海などの場合はパラソルの下で遊ばせたり、帽子を被らせるなどして、直射日光を遮るようにしてあげましょう。
- 熱を避ける:直射日光だけでなく、地面からの反射熱などを大人より受けるのが子供です。熱がこもるような洋服は避け、熱から守ってあげましょう。
- 多めに水分補給をする:水分補給はしっかりとし、熱射病の危険がある季節などは多めの水分補給を心がけてあげましょう。
- 塩分補給をする:
- 屋外で遊びはこまめに休憩をとる:海や公園など屋外で遊んでいる時、子供は遊ぶことに夢中になってしまい、自分が喉が渇いていたり疲れていることに気づかないことが多々あります。こまめに休憩や水分補給などを大人から促してしてあげましょう。
- 室内でも注意する:屋外よりは安全な室内ですが、室温管理などをしっかりし、屋外と同じようにしっかりと見守ってあげましょう。
- 車内など暑くなる場所に放置しない:乳幼児は特にですが、子供たちは自分たちで自由に移動したりすることができません。なので、車の中や締め切られた部屋などに子供だけにするようなことはしないようにしましょう。
- 大人がしっかりと見守る:全てのことに言えますが、子供だけで対策することはできません。しっかりと大人が見守ってあげましょう。