【最新更新内容】2019年流行情報について追記
赤ちゃんの夏風邪で気を付けたい病気の一つが、手足口病です。
手足口病は文字通り手や足、口の病気です。
先日うちの子も手足口病にかかり、病院が混雑していてしっかりとした診察は受けませんでしたが、看護師さんの所見で、手足口病だろうというお話でした。
上記の写真は、その時の子供の足の写真です。
最近は冬にも流行することが増えていて、2017年の12月には今までの冬にはないぐらい流行しました。
そんな気を付けたい手足口病についてまとめました。
手足口病の初期症状は?発疹がサイン?かゆみは?
ちなみに手足口病は英語で、Hand, Foot and Mouth Disease、略してHFMDです。
この病気ってわかりやすいですよね。
文字通り、手と足と口が病気になります。
具体的には手足や口に水疱性の発疹いわゆるブツブツができる病気で、肛門周辺にも発疹が出ることもあります。
かゆみを伴うケースは少なく、ブツブツができてもあまり痒くはなりません。
そして、発熱することも三分の一程度で、発熱したとしても38度以上になることはほとんどありません。
熱も出ないし、痒みもないがブツブツがでるという症状が一般的な初期症状のようです。
発疹の症状はこのような感じです。
出典:国立感染症研究所ホームページ
症状として見た目にわかればよいですが、口の中の場合はわからなかったりします。
子供が特に熱もなく食べなかったり、いつも以上によだれが出ている場合などは、手足口病に感染しているケースもあるので注意が必要です。
実際に子供が手足口病になった時の動画はこちらです。
手足口病で発疹が出るのは、手と足と口だけ?顔や胸や背中は?
先ほども言ったように手足口病で水ぶくれが出るのは、手足や口がほとんです。
そして、もう一カ所発疹が出るのが、おしり、肛門周辺です。
おしりだけだとオムツかぶれかと思う方も多くいるみたいですが、注意が必要な個所かもしれません。
顔や胸や背中など他の場所に水ぶくれが出た場合は、他の病気を疑った方が良いと思います。
違う病気が考えられるので、単なる夏風邪の手足口病だと安心せずに、病院に受診した方が良いと思います。
手足の発疹が指先にまで達すると、1,2か月後ぐらいには爪がはがれてしまうようなこともありますが、およそ一週間から10日ほどで症状が落ち着き治るので、それほど心配する必要はありません。
手足口病の原因となるのはウイルス?
手足口病の原因となるのは、基本的にウイルスですが、いくつかのウイルスが原因となります。
その代表的なものが、エンテロウイルスとコクサッキーウイルスです。
これらのウイルスの中でも、複数の種類があるのですが、コクサッキーウイルスA16型とエンテロウイルス71型が代表的で、2009年からはコクサッキーウイルスA6型が原因となっていることが増えてきているようです。
その他ではコクサッキーウイルスA10型も原因となるウイルスの一つです。
ウイルスが一つではなく複数なので、手足口病は一度だけではなく、何度か感染してしまう可能性があります。
過去には髄膜炎などの合併症で亡くなった赤ちゃんも
手足口病の原因の一つのエンテロウイルスは、過去に流行したときには死者も出ているウイルスで、急性髄膜炎の合併症、中枢神経系で合併症を起こすことが、他のウイルスより多いことが原因です。
2000年に兵庫県で脳炎による死亡例がありました。
海外では中国やベトナムで死亡例が報告されています。
合併症には、髄膜炎、小脳失調症、AFP、脳炎などの中枢神経系合併症を引き起こすことがあります。
その中でも最近アジアでよくみられるのが、EV71というウイルスの種類による急性脳炎による中枢神経合併症が原因だと考えられています。
それほど多くはないようですが注意は必要ですね。
手足口病って大人もなるの?
患者の半数が2歳以下の赤ちゃんで約9割が子供です。
しかし、まれに大人も感染することがあります。
しかも大人が感染すると重症化することが多く、注意が必要です。
子供の軽い症状と同じように口や手足に水疱性の発疹が出るのはもちろんですが、発熱することがよくあり3割ほどの人が40度以上の高熱を出します。
手足口病に有効な薬はあるの?
結論から言うと、手足口病に有効な薬というものはありません。
抗生剤などの投与も特に意味がないので、処方されることは基本的にありません。
発疹にもかゆみを伴わないことがほとんどなので、抗ヒスタミン剤を投与されることはありますが、副腎皮質ステロイド剤を投与することはありません。
そこまでは必要ないという事ですね。
解熱剤に関しても、それほど高熱が出ることがまれなので、必要ないケースがほとんどです。
しかし、まれに元気がなかったり、高熱が出る場合があるので、その場合は解熱剤を投与されるでしょう。
手足口病で赤ちゃんを病院に連れていく?
有効な薬もないので、病院に連れて行っても意味がないなどという事で連れて行かないケースもあるようですが、簡単に自己判断しないことも大切です。
自分で手足口病だと確信が持てる場合はいいですが、確信が持てない場合は、病院へ連れて行ってあげましょう。
そして、しっかりとした診察をしていただき、お医者さんに適切な判断で処置をしていただけば、お父さんお母さんも安心ですし、何より赤ちゃんにとっても良いでしょう。
手足口病で入院することはあるの?
手足口病で入院にまで至るケースは、先ほどから言っているように、重症化することは稀なのでほとんどないと言ってもいいでしょう。
しかしながら、まれなケースの合併症の危険がある場合は、入院となることも考えられますので、そこはしっかりとお医者さんに見てもらって判断をしてもらいましょう。
手足口病にかかっている赤ちゃんの生活は?食べ物、お風呂、保育園
手足口病にかかっている時に、どんな食べ物を与えればいいか迷ってしまいますよね。
まずは普段と同じようなもので問題ありません。
しかしながら、症状によっては口腔内病変、口の中に発疹ができている場合は、刺激を与えるとしみたりして痛みがあるので、刺激がない食べ物をあげるのが良いでしょう。
いつもより柔らかく薄味の食べ物をあげましょう。
一番大切なのは、口の中に違和感があったりすると、何も口にしないなどといったことも考えられます。
そういった場合でもしっかりと水分はあげましょう。
経口補水液を少しずつでも、頻繁にあげるようにしたりして、水分はしっかりとあげてください。
もし水分を取らないようなケースは、経静脈的輸液、いわゆる点滴が必要になるケースもあります。
手足口病の赤ちゃんをお風呂に入れても大丈夫?
基本的にお風呂に入ることで、手足口病が悪化することはないので、お風呂に入れてあげても問題ありません。
しかし、熱がある場合は注意が必要です。
発熱することは少ないですが、熱があるときにお風呂に入ると脱水症状を起こしたり、必要以上に体力を消耗したりするので、その点には気を付けてあげましょう。
また、発疹はかゆみをあまり伴いませんが、お風呂に入った後に体が乾燥してかゆみを促進することがあります。
長時間入ると体が乾燥してしまうので、できるだけ短時間にしてあげるのが良いでしょう。
また、お風呂で感染することも考えられます。
水疱から感染することがあるので、感染した子供は最後に入れてあげるのが良いでしょう。
手足口病で外出は?保育園は行ってもいいの?
基本的に赤ちゃん、子供が元気であれば外出しても良いでしょう。
しかし、それは感染している子供自身の話で周囲に移す危険があるのは承知していてください。
と言っても手足口病のウイルスが、完全になくなるのは1ヶ月程度はかかります。
なので、元気なのに1ヶ月も、外に出ないというわけにはいかないでしょう。
国立感染症研究所のホームページでは、基本的に周囲に移すことはあまり意識せず、感染した本人の症状で判断することを推奨しています。
手足口病で保育園は行っても問題ないの?
手足口病で保育園に行ってもいいかというと、基本的には行っても問題ありません。
が、保育園によっては方針が違ったりすることもあるので、個別に確認はした方がいいでしょう。
ここでは、ごく一般的なお話をさせていただきます。
もちろん、熱があったり、食欲がなかったりと、いつもの体調ではない場合は保育園に行かすことはできません。
しかし、熱などもなく、子供自身が元気で食欲もあれば普通に保育園に行かしても問題はありません。
学校保健法という法律上でも、手足口病は伝染病の扱いではありません。
理由は下記の国立感染症研究所の内容にもありますが、基本的には重症化することは少ない病気だというのがあるようです。
学校保健法での取り扱い
手足口病は、学校で予防すべき伝染病1~3種に含まれていない。主症状から回復した後もウイルスは長期にわたって排泄されることがあるので、急性期のみ登校登園停止を行って、学校・幼稚園・保育園などでの流行阻止をねらっても、効果はあまり期待ができない。本疾患の大部分は軽症疾患であり、集団としての問題は少ないため、発疹だけの患児に長期の欠席を強いる必要はなく、また現実的ではない。通常の流行状況での登校登園の問題については、流行阻止の目的というよりも患者本人の症状や状態によって判断すればよいと考えられる。出典:国立感染症研究所ホームページ
感染経路は?手足口病ってうつるの?
手足口病は感染症ですのでうつる病気で、人から人への感染もある病気です。
感染経路としては飛沫感染と接触感染、経口感染です。
飛沫感染は咽頭からのもので、くしゃみや咳をした時に出るつばから感染します。
接触感染は手足口病に感染した人が触れたドアノブやおもちゃなど、手に振れたものにウイルスが付着し、そのウイルスが付着しているものを触ることによって、そのウイルスが手に付着、更にその手で口や鼻、目などを触ることによって、それらの粘膜から体の中にウイルスが侵入してしまい感染してしまいます。
経口感染については、ウイルスが便に含まれていることがあります。
便中に排出されたウイルスが人の手などにつき、やがて口に入ることによってうつることがあるようです。
また、水疱内容物からの感染することもあります。
手足口病はうつってからすぐに症状が出るの?潜伏期間は?
手足口病はウイルスに感染してから、次の日に症状が出るというわけではありませんが、比較的早い段階で症状が出始める病気です。
潜伏期間は2日~7日、1週間ほどと言われていて、もちろんその時々によって症状の出初めは異なりますが、長い場合は感染してから1週間後に症状が出始める場合もあるようです。
その後、1週間程度で、かさぶたなどになることなく治ることが多いようです。
しかし、1ヶ月ほどは、ウイルスを保持している状態が続きますので、治ったと思っても、完全に安心せず、見守っていくようにしましょう。
手足口病の予防方法はどうするの?予防接種は?
インフルエンザのような予防接種は残念ながらありません。
予防はインフルエンザと基本的には同じ予防方法ですね。
- 手洗い
- うがい
- 咳チケット
感染症の予防にはやはりこれらが大切ですね。
しっかりと予防して赤ちゃんを守ってあげましょう。
冬に流行した手足口病の原因は?
2017年の夏に流行した手足口病が、12月になっても流行が治まらずに1週間当たりの患者数が12月としては、過去10年で最多となったそうです。
このグラフを確認いただくとお分かりになると思いますが、2017年を示す紫のひし形で書かれた折れ線グラフが42週~49週まで過去10年で最も多くなっていました。
そして、この2017年の冬に流行していた手足口病のウイルスは通常夏に流行するものと、異なるエンテロウイルスA71型というものだそうです。
手足口病の基本的な原因となるウイルスは、コクサッキーA16(CA16)、CA6、エンテロウイルス71(EV71)などのエンテロウイルスというものだそうです。
その後、49週を過ぎてからは少しずつ落ち着いてきて、2018年に入って過去10年で最多というような流行は見せませんでした。
2019年の手足口病のウイルスの動向は?
2019年は少し流行するかもしれない恐れが出てきています。
というのも、第22週の定点当たりの報告数が過去5年で最も多く、19週以降増加が続いています。
まだ大流行というほどの状況ではありませんが、実際に私の子供も感染の疑いがあったり、行ってい保育園でも感染した子がいるようなので、しっかりと状況を見ていく必要がありそうです。