警報発令中の水疱瘡(水痘)!感染ルート、症状は?予防接種はあるの?

水疱瘡は、毎年冬から春にかけて流行する感染症です。

正式には「水痘(すいとう)」という感染症で、一般的には水疱瘡(みずぼうそう)として知られています。

小さなころに予防接種もうける水疱瘡ですが、色々と調べてまとめてみました。

2020年1月に那覇市保健所管内と宮古保健所管内で警報が発令され、北部保健所管内で注意報が発令されています。

水疱瘡(水ぼうそう)の症状は発疹、発熱

水疱瘡とは、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる感染症です。

水痘の「痘」という字から想像ができるかもしれませんが、「痘」という字は、病と豆が合わさった字で、全身に豆のようなものができる病気です。

痘という字が使われる病名で、天然痘という病気もありますが、こちらは日本では1955年を最後に感染した人は確認されていません。

まず、水疱瘡の全体的な流れを書いてしまうと

  • 潜伏期間:約2~3週間
  • 発症:かゆみを伴う発疹と同時に38℃前後の発熱
  • 発熱期間:2、3日程度
  • 発疹:1週間程度で全てがかさぶたになる
  • 感染期間:全てがかさぶたになるまで

潜伏期間は10日~3週間と長い

水疱瘡の潜伏期間は、インフルエンザなど風邪症状に近いものに比べると長い方です。

早くて10日ほどで発症しますが、感染したウイルスが少ない場合、20日ほど経過してから発症することもあります。

個人的な感覚ですが、発疹が出る感染症は、潜伏期間が少し長いイメージがあります。

麻疹(はしか)が10日~12日間、風疹が2週間〜3週間(平均16日〜18日)と長めです。

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痛痒い発疹が辛い、頭から胸やお腹、背中など身体、そして手足

水疱瘡の発疹は形状を変えていきます。

まずは、米粒大(1mm~4mm程度)の盛り上がった紅い発疹で虫刺されに似たようなぶつぶつ、紅い丘疹ができます。

この状況が2、3日続き、今度は水ぶくれの状態、水疱になります。

そして、かさぶたになり自然にはがれていき、約1週間後には全ての発疹がかさぶたになり回復します。

全ての発疹がかさぶたになれば、感染の恐れも基本的にはありません。

発疹は基本的に多くの場合が、頭から始まり、胸やお腹、背中などの身体に発疹ができ、手足に広がっていきます。

水疱の中は透明であったり、黄色がかっていたりし、水疱の中には液体のウイルスが含まれています。

なので、発疹、水疱を潰れたり、潰してしまったりすると、ウイルスを含む液体が漏れ出して、その液体に触れることで感染してしまう恐れがあります

しかし必ず発疹が発生するというわけではなく、発疹が発生しない場合もあります。

水疱瘡合併症の多くは二次感染

水疱瘡の合併症で多くみられるのは、発疹に細菌が付着することによる二次感染です。

発疹の数が極めて多い場合などは特に、痒みを伴う発疹であることから、かきむしってしまい、水疱が破れ、そこに細菌が付着し、化膿し、皮膚の細菌性感染症を起こしてしまうことがあります。

ひどい場合には、最近が全身に回ってしまい、敗血症を起こす可能性があります。

敗血症とは、特定の最近に感染することで起こり、免疫系の低下や特定の慢性疾患を引き起こすことがあります

その他には、40度を超える高熱でけいれんを起こすことがあります。

稀にですが、肺炎や肝炎、脳炎などを引き起こすことがあります。

水疱瘡の感染ルートってどんなの?

水疱瘡の感染ルートは、インフルエンザなどと同じように一般的なもので、空気感染又は接触感染飛沫感染になります。

非常に感染力が強く、すれ違っただけでも10人に一人は感染するとされていて、過去に水疱瘡にかかったことが無く、予防接種も受けたことが無い場合の家庭内での感染率、発症率は90%とされています。

感染リスクは、話をするなど顔を合わせた濃厚な接触では5分、直接接触が無くても同室にいた場合は60分以上で高まります。

発症した場合に行く病院は小児科?内科?皮膚科?耳鼻科?

子供が発熱を伴う発疹がある場合は、小児科医に見てもらうのがいいでしょう

発疹があるからと言って素人では、水疱瘡なのか、はしかなのか、風疹なのか簡単に見分けることができません。

また、発熱を伴う発疹の場合、皮膚の疾患ではなく、感染症による麻しんのような全身性疾患であったり、水疱瘡のような部分症状のことが多いからです。

小児科の多くは、隔離室が用意されていて、伝染病感染症の疑いがある場合には、隔離室に案内され、適切に処置されます。

水疱瘡の初期や溶連菌感染症の場合、発熱を伴わないことが多く判断が難しいかもしれません。

水疱瘡の場合、虫には刺されることが難しい、洋服の中や頭皮に発疹ができやすく、虫刺されは、洋服から露出した場所にできるので、ある程度見分けることができるかと思います。

発熱を伴わない発疹の一つが「水いぼ」です。

水いぼは水疱瘡に似ていますが、紅くならなく、固い感じのぶつぶつで、数が増えるようなら、皮膚科に行くことをお勧めします。

水疱瘡の予防方法は?水痘ワクチン予防接種は?

水疱瘡の予防方法で、最も有効だとされているのは、予防接種です。

予防接種については後ほど詳しく説明させていただきます。

日常的には、感染症予防の基本となる「手洗いや咳エチケット」を心がけることが大切です。

厚生労働省ホームページより

咳エチケットとは「マスクをつける」「袖で口・鼻を覆う」「ティッシュ・ハンカチで口・鼻を覆う」という事です。

ワクチンの予防接種はいつするの?

水痘ワクチンの予防接種は、平成26年10月1日から定期接種となり、基本的に無料で受けることができる予防接種です。

1歳のころにたくさんの予防接種を受けることになりますが、水痘ワクチンもその中の一つです。

時期としては以下の通りです。

  1. 1歳になったらすぐ(1歳3ヶ月までに)1回目を接種
  2. 最低3ヶ月以上経過してから、標準的には6ヶ月から12ヶ月の間に2回目を接種

基本的に無料での予防接種が可能な定期接種の時期は、1歳から3歳未満です。

妊婦や大人が水疱瘡になった場合は重症化することが多い

大人が水疱瘡になった場合は、重症化することが多く、水痘肺炎を引き起こす場合が16~50%もあります。

また喫煙者は肺炎になるリスクが15倍も上昇します。

更には死亡率は大人の場合高く、1歳から~14歳は10万人当たり1人なのに対して、30歳~49歳は10万人当たり25.2人と非常に高くなっています。

妊婦が水疱瘡に感染した場合

妊娠早期に水疱瘡に感染した場合、流産の危険性があります。

妊婦が妊娠20週までに水疱瘡に感染した場合、まれに先天性水痘症候群(CVS)の子供を出産することがあります。

先天性水痘症候群とは、発達遅滞を伴う種々の神経障害、四肢の頭頸部や四肢躯幹の片側性の萎縮性瘢痕などの多発先天奇形などの症状を起こし、水疱瘡に感染した妊婦から2%程度の頻度で出生します。

生まれた時に、先天性水痘症候群を発症しなかった場合も、多くの場合で、生後6か月前後で、新生児帯状疱疹を発症します。

また、出産直前に発症した場合は、生まれた子供も水疱瘡を発症し、死亡率が高く大変危険です。

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